いとより(イトヨリダイ)

          ▲舞姫のような姿は鮮魚売り場の華
          ▲イトヨリの40cm級

          <ピンク色の体表に金色の縦縞が7本、すごく美しいお魚です。尾びれの先端が糸状に長く延びていて、撚り糸をなびかせるように泳ぐ姿から、この名前があります。売場に並ぶイトヨリの姿は、周りの魚たちを圧倒して、舞姫のようなきら煌びやかさ、個人的には一番美人な魚だと思います。

          ▲小型のイトヨリ

          萩沖では、小型底引き網やアマダイのはえなわ延縄で混獲され、秋になるとコンスタントに水揚げされるようになります。クセの全く無い柔らかい白身で、アマダイに似て、ほんのりとした甘みがあります。みやび雅を重んじる京料理でも、アマダイと並んでよく使われる魚です。

          ▲イトヨリの酒蒸し

          お勧め料理は酒蒸し。三枚におろして昆布などに乗せて蒸すと、甘味が強調され、皮目にある独特の風味が活きて来ます。イトヨリの皮の朱色も美しく、お客様向けの料理としても喜ばれます。また、小骨も少なく、柔らかい身と優しい味はお年寄りにも向いています。その他、普通の平造りや、皮を付けたまま熱湯にくぐらせる霜皮造り、焼きもの、煮付けでも美味しく召上れます。時には洋風で、オリーブオイル焼きなどもグッド。

          ▲イトヨリのオリーブオイル焼き

          鮮度が落ちるとイトヨリ本来の輝きが失われてきます。一目見て奇麗だなと思うものを選んでください。お刺身や蒸し物には30cm級の大型がお勧め。旬 通年 特に秋~冬に水揚げが多い。