アカヤガラ。一般的にはなじみの薄い魚であるが、知る人ぞ知る高級魚。棒状の体の形を、弓矢の柄(矢柄=ヤガラ)に例えてついた名前。全長2m以上(写真は1m級)になるが、体が細く、1/3は、ホースのような口で、さらに背中の1/3ほどは、硬い骨が入っているため、歩留まりが低い。尾びれの中心から、1本の長い糸状のひれが伸びる。
日本近海には、ヤガラ科の魚が2種生息。もう1種がアオヤガラ。プロポーションは、アカヤガラそっくりだが、概ね体色が青い。味は、アカヤガラに比べ、格段に落ちる。産卵期は冬で、夏から秋にかけてが旬。暖海性の魚であるが、萩でも定置網などに入り、少数水揚げされる。東京・築地では考えられないような、安値で取引されている。
おすすめ料理は、刺身。水晶のように透き通った身色が美しい。味は、一噛み目は、ぷりぷりした食感が楽しく、二噛み~四噛み目に、すがすがしい旨味が、口中いっぱいに押し寄せてくる。最後にほんのりと甘みが残る。超高級魚の味。他に、煮付けや、高級料亭では、椀だねとして供される。口を乾燥させ、粉末にしたものは、漢方薬としても使われるとか。
良いものは、目がきれいで、体表がきれいなもの。大型が脂がのって美味。正直、魚屋の店頭で見かけることが少ない魚。どうしてもとおっしゃる方は、お魚屋さんに、頼んでみてはいかが?