萩では一般に「ミズイカ」と呼ばれています。イカ類の中でも、最高級種で、ケンサキイカがイカの女王様であるのに対して、こちらは王様格です。柔らかく甘みのあるケンサキイカに対して、身厚で弾力があり味わいが濃いことから、そのように喩えられています。釣り漁や定置網で漁獲されますが、晩秋から冬に漁獲量が多くなってきます。春のアオリイカは前の年に生まれたアオリイカが産卵を前に一番成長しており、成長途中の秋のアオリイカに比べて大きなサイズが水揚げされます。
身に深い味わいのあるイカなので、そのままお刺身で。コリコリした食感を楽しむにはやはり新鮮なものを。水揚後一日経過した物もねっとり感と旨みが濃くなって、これもまた美味しい。野菜と一緒にカルパッチョもお奨め。
料理は、刺し身、寿司が一番。刺し身に引くときは、スルメを裂くときをイメージして横に。また、醤油のアミノ酸と相乗効果で、さらに旨みがアップ。甘めの醤油がおすすめです。
また、見島では秋から冬にかけて、アオリイカ(見島ではドンコ)を天日干ししたスルメを作ります。普通のスルメとは全くの別物、身が厚く甘みがあって絶品です。目がきれいで飛び出た状態のもの、身に透明感のあるものが新しい。良いものは、色で判断。透明>茶>黒>白濁。黒までは可。目が白く濁って、落ち窪んだものは遠慮しましょう。イカ類は新鮮な状態で凍結すると、味の劣化が少なく長期保存できます。