旬の話題はコウイカ。春は一年の内で最もイカの種類が多く水揚げされる。イカは大きく分けて、コウイカの仲間(石灰質の堅い甲羅を持つ)と、ツツイカの仲間(透明な薄い甲羅)に分けられる。ツツイカはスルメイカ、ケンサキイカ、ヤリイカなど。この時季最高のアオリイカは、全体のプロポーションからコウイカの仲間と勘違いされるが、ツツイカ。
そして、萩で漁獲されるコウイカは主に3種。見た目はよく似ているが、味は明確な差があるため、種を正確に見極めることが重要。まず、最も美味しいのはカミナリイカ。胴に「キスマーク」のような模様があるのが特徴。胴長40㎝級になる大型種。次にコウイカ。胴の模様が「トラ柄」で20cm級が主。以下、格段に味が落ちるシリヤケイカ。全体が黒っぽく、「米粒」のような模様がある。秋に瀬戸内海に多い。他にまれにしか見ないがヒョウモンコウイカが揚る。腕にオレンジ色のスジがあり、たまたま手に入り食べたが、旨みがほとんどない。
料理法は、カミナリイカ、コウイカまでは、新鮮なものであれば刺し身。それ以外の種は、焼く、煮るなど加熱料理向き。身は加熱すると必ず体表側を内側に丸まる。飾り包丁は、内臓側に入れる。
良いものは、各種、特徴的な模様がハッキリしたもの、目が透きとおって張り出したものを選ぶ。魚類は概ねシメて数時間から数日寝かせたほうが旨いが、貝とイカは、とにかく活きがよいほど美味。イカの祖先は貝と同じからか。