しろうお(素魚)

          ▲萩の早春の風物詩、四つ手網漁
          ▲しろうお 体長4~5センチ

          萩では、松本川の雁島橋付近で、昔ながら6畳大の四角の網を使って、シロウオを獲ります。かつては河口近隣の農民が、農閑期の生業として、藩主にシロウオ漁の特別許可をもらって操業したと伝えられています。

          ▲上がシラウオ・下がシロウオ

          シロウオの大きさは4~5センチ程度、飴色の半透明の魚体は、何かの稚魚のように見えますが、これでも立派な成魚、この時期に産卵のために川を遡上します。萩での漁期は2月下旬から3月いっぱい。毎年漁獲量の変動がありますが、平成になってからは年平均の漁獲量は500kg程度、軽トラック一杯分ちょっとと考えるととっても少なく、希少なお魚と言えます。

          ▲伝統の四つ手網漁

          伝統的な四手網漁で漁獲される。6畳ほどの大きさの、目の細かい網の四隅を竹で吊るし、川底に沈める。シロウオが通り過ぎるころを見計らって揚げる。網を柄の長い柄杓でポンポンとたたき、シロウオを真ん中に集めてすくい取る。江戸時代からほとんど変わらないスローな伝統漁法。漁場が河口域で、人間の生活圏で行われることから、橋の上からでも見学できる。早春の風物詩である。

          ▲生きたままを食べる踊り喰い

          活きたシロウオをそのままスイチ(酢醤油)で食べる踊り食いが有名。コリコリ・プリプリした食感とほろにがい味わいを楽しみます。ただし、これは観光ナイズドされた食べ方で、地元の人はもっぱら澄まし汁や、天ぷら、雑炊などで。特に人気があるのは卵とじで、これが一番美味しい食べ方です。

          ▲天ぷらや卵とじがお薦め

          川水を入れたビニール袋に空気を充填して、活きたままを販売しています。活きているときは、褐色かかった透明ですが、活きが悪くなると体色が白濁してきます。