ケンサキイカの小型のことを表す萩地区の浜言葉でバライカと呼びます。普通イカ類は、木箱かスチロールケースにきれいに並べて魚市場でセリにかけられますが、このバライカは魚体が小さいので、木箱にバラバラに詰め込まれて水揚されます。これが名前の由来。主に春先、定置網で漁獲され、この時期になると魚屋の店頭にも並びます。
定番料理は、調理が簡単で、しかも見た目も良い子イカの煮付け。水洗いして、一口大に切った大根や人参など季節の根菜と一緒に煮付けます。煮汁は薄口醤油・清酒ベース、少量の砂糖で甘みを付けます。
多少手間は掛かりますが、バライカの胴にもち米を詰めて蒸し上げる「子イカ飯」も、お客様のおもてなし料理として食膳に供されてきました。唐揚・天ぷらも美味です。生食ではないので、それほど鮮度に神経質になる必要はありません。体表に褐色が残っているモノを目安に。