早春の産卵期を前に胴体の中に卵を蓄え始めます。ヤリイカは卵を持つ時期になると身が薄くなると言われ、萩の漁師さんや仲買さんの間では、一般に「ヤセイカ」と呼ばれています。
この中で一番スマートなイカ(左下の3杯)がヤリイカです。ケンサキイカと比べて、さらに優しい味で、ほのかな甘味と柔らかい食感が特長。
刺身やてんぷらも美味しいですが、子持ちイカはやはり煮物がお勧め。飯ダコのような卵の味と、プリプリコリコリとした感触を楽しめます。下ごしらえは、イカの胴体の中にある墨袋と目玉・嘴を包丁で外し、あとは醤油・味醂・日本酒の煮汁で煮るだけ。大根と一緒に煮るとイカが更に柔らかくなります。
イカ類の見分け方は、目に張りのあるものを選んでください。店頭でも新鮮なものは指で触れると色素胞が活きていて、赤褐色に変ります。卵の有無はお魚屋さんに見てもらってください。 子持ちのヤリイカは2月いっぱいまでが旬。イカ類は定置網などで比較的安定した入荷があります。