オニオコゼ

          ▲古くはマタギの魔よけにも使われたオニオコゼ
          ▲オニオコゼの顔

          虎魚。なんとも恐ろしい漢字の魚:オニオコゼ。英語ではDEVIL STINGER(悪魔トゲ)もしくはPOISON FISH(毒魚)となにやら恐ろしい名前。それもそのはず、背びれにあるトゲには強力な毒があり、刺されると激痛に苦しむ。

          ▲お造り

          一見、海底の岩のような色・形で、顔つきも、なんともグロテスクかつ、ユニークで、醜い。目の位置もわかりずれい。しかし見た目に反して、味も値段も魚介類中、最高峰。旬は夏。産量の少ない魚で、各地で養殖や稚魚の放流が行われている。萩でも決して多くはないが、漁獲され、うれしいことに、天然物が安価で手に入る。

          ▲唐揚

          料理は、活けジメが手に入れば、薄造り。水晶のように輝く美しい身色と、力強い歯ごたえ、極上の旨味がたまらない。肝しょうゆでいただく。次にから揚げ。もっちりとしたオコゼ独特の食感が楽しめる。頭や骨は二度揚げし、バリバリ食べる。赤だしや、ちり鍋もオコゼ料理の定番。歩留まり(食べる部分)が少ない魚だけに、丸ごと食べる。

          ▲赤だし

          良いものは活かし→活けジメしたもの。自然死したものは、から揚げなど加熱料理に使う。魚屋では、背びれをカットした状態で売られているが、釣りで掛かったり、岩場で泳いでいるときに、うっかりトゲにふれるとたいへん。くれぐれも気をつける。万一刺されたときは、病院へ。